> この作品で描かれているのはその種の作品群でよく描かれる破滅的な終焉ではなく、「物静かで穏やかな終焉」であるように思います。
> 勿論、それは突然起きるものなんかではなくて、裏で複雑に事象が絡み合って初めて少しずつ露わになっていくもので、まるでひとつの種から数え切れない程の種へとなり、地球全体を支配していった生物たちのように、じわじわと時間をかけて、人の手の届かないところで少しずつ侵食していくものなのだとこの作品を通じて感じられる節がありました。
> アンビエントとしての作品性が非常に秀逸である事はさながら、このような硬派な作品を違和感の全く感じられない譜面構成で完成させる手腕は見事だと思います。
> 隕石が落ちるようなものでもなんでもなく、ごくごく普遍的な場所からの終焉を告げているようなこの作品はある種のリアリティが感じられ、どこかシンパシーを強く感じられると共に、静かながら恐ろしさを感じられる部分があり、かなり深淵で興味深い作品へと仕上がっていると思います。
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> 8.9/10 REVIEWER'S RECOMMEND